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2010年10月 2日 (土)

アムステルダム国立美術館

9月中旬、仕事の出張で、アムルステルダムに行ってきた。 最終日、少し時間が空いたので、国立美術館を見てきた。

アムステルダム国立美術館

アムステルダム国立美術館

この美術館は現在改装工事中だと聞いていたのだが、正面の建物はまさに工事現場という感じだった。

アムステルダム国立美術館フィリップス棟

展示は現在、裏手にあるフィリップス棟と呼ばれる部分を使って行われている。

観光客らしき人が多く来場していて、結構混んでいた。

展示内容は17世紀の絵画が中心だったと思う。オランダが、かつて国際貿易の発達で繁栄し、「黄金時代」と呼ばれた頃だそうだ。 レンブラント、ヨハネス・フェルメール、ヤーコブ・ファン・ロイスダール、フランス・ハルス、ヤン・ステーンといった画家の作品が並ぶ。

レンブラント作「夜警」

展示の中で最も多くの観客を集めていたのが、このレンブラント作「夜警」。 この美術館の代表作にして、レンブラントの代表作とも言える作品だと思う。

レンブラント作「夜警」

大きな絵で、臨場感がある。

この絵は市民自警隊の注文により制作された集団肖像画だそうだ。 中央の黒い服の人が隊長で、その右隣にいる黄色の服の人が副隊長。 隊長が副隊長に対して行進を開始するよう命じ、隊員たちが動き出そうとしている場面を描いたものだそうだ。 その後ろにいる女の人が場違いな感じがして謎なのだが、隊のマスコットであると説明されている。

これが実は夜の情景ではないのだという。 そう言われてみると確かに、背景は暗い感じだけれど、隊長、副隊長に当たっている光は、昼の光のように見える。 背景には建物が描かれているようだ。建物の陰の暗がりのような場所で、左上から強い陽光が、スポットライト的に差しているように見える。

その光がとても強く印象的に隊長、副隊長、そしてマスコットの女性を照らし出していて、鮮やかだと思った。 副隊長の衣装は精緻に描写されていて、輝いているかのように見える。

これは確かに名作だと思う。

ヨハネス・フェルメール作「牛乳を注ぐ女」

ヨハネス・フェルメール作「牛乳を注ぐ女」

これは2007年に国立新美術館で開催された「「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展」に展示されていた絵だ。 そのときは混んでいてよく見れなかったが、この美術館ではゆっくり見ることができる。

レンブラントとは違って、とても穏やかな光の中の、日常生活の情景が伝わってくる。 17世紀のオランダの人というのはこういう感じだったのかと思いを馳せる。

ヤーコブ・ファン・ロイスダール作「ヴェイク・ベイ・デュールステーデの風車」

ヤーコブ・ファン・ロイスダール作「ヴェイク・ベイ・デュールステーデの風車」

風景画の展示も多かった。特にロイスダールの作品が多かったと思う。

風景画という分野が確立したのは17世紀オランダにおいてであったそうだ。 この風車の絵は、その頃の代表的作品として有名な絵だと思う。

17世紀のオランダの農村風景というのはこういう感じだったのかと思いを馳せる。

レンブラント作「エルサレムの破壊を悲しむエレミヤ」

レンブラント作「エルサレムの破壊を悲しむエレミア」

1630年というから、レンブラントがまだ24歳だったころの作品だ。

色合いが、派手過ぎず地味過ぎず、落ち着いていながらも印象深い、絶妙な絵だと思った。 精緻な描写が施されてるのにも目を惹かれる。 小さいならがも、存在感のある絵だと思った。

エレミヤは旧約聖書に記述された預言者の一人。 エルサレムがバビロニア軍によって滅ぼされるとの預言を語るも、人々に信じてもらえず、国の滅亡を防ぐことができなかった。そのことを悲しんでいる姿を描いたものだと思う。 左奥のほうに、おぼろげながら、炎上するエルサレムが描かれている。 エレミアの傍らにあるのは、神殿から持ち出した聖杯と聖書だという。

まとめ

17世紀のオランダでは、商業の発達により裕福になった市民が、絵画作品を買い求めたという。 確かに今回見た中には、聖堂に飾られるような荘厳なキリスト絵画とか、貴族の宮殿に飾られるような華やかな神話絵画は無かったと思う。 肖像画、風景画、静物画、風俗画が多く、また、大きさ的にも、集団肖像画以外は、家に飾れる程度の大きさのものが多かったと思う。 17世紀オランダ絵画というのは市民の絵画だったということを実感する。

参考文献

この記事を書くにあたり、以下の本/Webサイトに掲載されている情報を参考にさせていただいた。

  • RIJKSMUSEUM AMSTERDAM マスターピースガイド(日本語版)

  • 講談社刊 週刊世界の美術館No.10 アムステルダム国立美術館

  • 集英社刊/座右宝刊行会編 世界美術全集13 レンブラント

  • 美術出版社刊 [カラー版]西洋美術史

  • ウィキペディアの 夜警ヤーコプ・ファン・ロイスダールエレミヤ のページ

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